顔面・眼のまわりの
ピクツキに注意(2)


美唄市医師会・伊藤和則

顔面けいれん、眼瞼けいれんについては前回は病状・病態を述べましたが、今回は最近の治療法についてお話しします。 ボツリヌス毒素による治療法は以前から欧米で使用されてきましたが、数年前より本国でも使用可能になってきました。 けいれんの部位にボツリヌス毒素を数単位ずつ何カ所かに皮下注射します。

<ボツリヌス治療の作用>
A.注射後2〜5日で効果が現れてきます。
B.2〜4週間で効果が最大になります。
C.3〜4カ月で徐々に減弱していき、再び注射前の状態に戻ります。
D.再投与後は4〜5カ月の持続効果が期待できます。

<安全性>
治療後、注射した筋肉の力が弱くなりすぎてまぶたを閉じるのが難しくなったりする場合があります。 しかし、これらの副作用は薬が効きすぎているためで薬の作用が減少し元の状態に戻るにつれて、そのような 副作用はなくなってきます。

<受診方法>
全身の疾患がないかどうか、内科的な検査が必要です。また薬に対するアレルギーがなく、そのほか過敏症が無い場合に限って この治療が可能となります。この治療は講習を受けた医師のみが実施可能ですが、神経内科、眼科、麻酔科、リハビリテーション 科の医師が実際に行っています。不明な点は病院、診療所などにお問い合わせください。
(筆者紹介/美唄労災病院神経内科)

標準的な注射部位

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