こつそしょうしょう
(骨粗鬆症)とは?


美唄市医師会・飯坂英雄

舌をかみそうな病名ですが、一般に言われる骨粗鬆症(以降、骨粗と称します)とは中・高年齢者で 特に女性に多い病気です。50歳代、特に閉経後5年で急速に進行します。骨の外側も中の方にも大根に 「す」が入った状態、つまり家に例えると、柱や梁の体積が減少し、もろくなる現象です。骨の形成を 促進するエストロゲンという女性ホルモンが欠乏するためにと言われています。普通の怪我では骨折 をおこさない軽微外傷でも骨折を起こします。転倒したり、尻餅をついたりなどの衝撃で脊椎の圧迫 骨折や転倒で手首の骨折、上腕骨頸部骨折、大腿骨頸部骨折が代表的な骨折です。特に体重がかかっている 大腿骨の骨折は、体を動かせないためいろいろな合併症(寝たきり、痴呆、呼吸器や尿路の感染、床擦れ など)を引き起こさないように、早期に手術で骨折を強固な金具で固定するか人工骨頭に置換するのが 主流です。背骨の圧迫骨折では、舌肢の神経麻痺や排尿障害を起こすことがあります。最近レントゲン 写真で判定するほかに、骨密度や骨吸収マーカーなどで骨の状態を数値で知ることができます。 普段からカルシウムの摂取、適度の日光浴、適度の運動などを心がけることが大切です。骨折を起こす前 に心配のある方は、これらの検査を受け、骨粗の範疇に該当する場合は、骨密度を上げる、あるいは現状を 維持いろいろな薬剤が開発されています。終わりに、最近若者にも骨粗が増加しています。運動不足や レトルト食品などに含まれている添加物が影響していると言われています。骨折り損のくたびれもうけ ならないよう、外観ばかりでなく、体の重要な大黒柱である骨に関心を持ってほしいと思います。
(筆者紹介/市立美唄病院整形外科)

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