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花粉症について 美唄市医師会・城下 紀幸 |
春が近づくと鼻水や目の痒(かゆ)みなどさまざまな症状が出る花粉症。花粉症はT型アレルギー疾患であり、花粉アレルゲンに対する感作(かんさ)が必須です。
遺伝的素因と環境的素因の両者が寄与します。主な症状は鼻症状(くしゃみ、水性鼻漏(びろう)、鼻閉(びへい)、鼻掻痒感(そうよくかん)など)
および眼症状(眼掻痒感、異物感、眼脂(がんし)など)それ以外にも下気道症状(咳、喘鳴(ぜんめい)など)、皮膚症状、胃腸症状など多彩な症状がでます。
本州はスギ花粉が多いですが、北海道はハンノキ、シラカバなどカバノキ科の花粉が主体です。
診断は問診、視診(鼻腔所見、結膜所見)、鼻汁好酸球検査などのアレルギー検査とプリックテストなどの皮膚テスト、血清特異的TgE検査などのアレルゲン検査が柱です。
花粉症は季節性アレルギーで鼻粘膜は発赤、腫脹(しゅちょう)し、通年性鼻アレルギーはハウスダストが抗原である事が多く、10歳以下の発症が多く、
スギ花粉症に比べ眼症状の合併は少なく、鼻内所見は粘膜蒼白で浮腫性に腫脹します。 花粉症の症状を緩和させるには、できるだけ花粉を避けることが大切です。帰宅した際、体についた花粉を室内にいれないように上着を玄関先でたたいて払う、 室内に入る前に洋服や髪の毛についた花粉を落とす、うがいや洗顔でのどに流れた花粉や顔についた花粉を落とすのも効果的です。 治療は抗アレルギー剤の投薬治療や点眼薬、点鼻薬などを併用します。 (執筆者紹介/しろした内科・小児科クリニック院長) ![]() |