高齢者が対象のワクチンについて
美唄市医師会・花田 太郎

以前2種類の肺炎球菌ワクチンについて、広報メロディー令和3年5月号に掲載させていただきました。その後、日本では高齢者対象のワクチンが増えましたので紹介します。
SARS‐CoV‐2ワクチン
SARS‐CoV‐2はコロナのことです。コロナは2019年の発生当時は非常に死亡率が高かったのですが、弱毒化した現在、死亡率は低くなったものの、患者は爆発的に増えています。
特に高齢者はコロナ感染をきっかけに基礎疾患が悪化して亡くなる方が大勢いらっしゃいます。コロナワクチンは6カ月に一度の接種が推奨されています。
帯状疱疹(ほうしん)ワクチン
この記事を読んでいただいている方で帯状疱疹に罹患(りかん)した方もいらっしゃるでしょう。帯状疱疹は名前の通り、帯のように水ぶくれが出現する病気です。帯状疱疹は罹患後に、発疹が出現した部位に神経痛が生じ、長期 にわたって痛みが残ることがあります。
帯状疱疹を予防するワクチンは2カ月間をおいて接種します。
RSウイルスワクチン
聞き覚えのないRS(アールエス)ウイルスですが、健康成人では鼻水や咳(せき)などの症状のみで発熱などはありません。
しかし、高齢者で基礎疾患がある方は重症化することがあります。
RSウイルスを予防するワクチンの接種は1回のみです。今回、ご紹介したワクチンは副反応がゼロではなく、公費のあるコロナワクチン以外は接種費用が2万5000円から3万円と高額です (帯状疱疹ワクチンは国からの補助が出る予定です)。かかりつけ医とご相談の上、ご検討ください。
(執筆者紹介/花田病院院長)