奥歯について
美唄市歯科医師会・高橋 典弘

人の歯の中で一番大きな奥歯の第1大臼歯は6歳頃に生えてくることから6歳臼歯と呼ばれます。 この臼歯が作られ始めるのは胎生3〜4カ月頃、歯の根まで完成するのは9〜10歳頃です。 次に12歳頃に生えてくる第2大臼歯(12歳臼歯)、その次に生えてくることもある第3大臼歯は18歳頃で、親が歯の生えはじめを知らないことから一般に「親知らず」という名前で呼ばれています。
奥歯は食べ物を噛み砕いたり、すりつぶしたりする役割を担っています。
奥歯を1本失うと噛む力は40%ほど低下してしまい、食べ物の消化・吸収も悪くなります。 また重たいものを持つ時やスポーツをする時など奥歯でしっかりと食いしばることで、瞬発力が生まれます。
しかし、食いしばれないと十分な力が発揮できないことが知られています。
また失った奥歯をそのままにしておくと、発音が不明瞭になり、噛み合わせが悪くなりやがて歯並びや顔の形にも影響が出てくることもあります。
最近では奥歯がないと認知機能にも影響が出る可能性を示している研究もあります。妊産婦も含めて生まれてから生涯にわたり自分の歯で食べる楽しみを味わえるように「80歳になっても20本以上自分の歯」を保つようにしましょう。
(執筆者紹介/たかはし歯科医院院長)