帯状疱疹は予防できる時代に
美唄市医師会・中村 雄一

帯状疱疹は、過去に水ぼうそうに感染して体内に潜伏しているウイルスが、加齢やストレス・疲労などによって免疫力が低下した時に活性化し発症します。
そのため、帯状疱疹としては他者に感染しませんが、水ぼうそうに未感染の人には水ぼうそうとして感染させてしまう可能性があり、発症中は特に妊婦さんやお子さんとの接触は控えてください。
帯状疱疹の症状は、体の片側のピリピリとした皮膚の痛みから始まることが多く、その後に赤みや水ぶくれが出現します。重症化すると長期にわたる神経痛が後遺症として残る場合もあります。
迅速な治療が大切ですので、疑わしい場合は早めの受診を心がけてください。さて最近になり、帯状疱疹を発症前にワクチン接種で予防する動きが広がっています。 ワクチンは2種類あり、水ぼうそうのワクチンを帯状疱疹の予防として打つ場合は、接種回数1回で予防効果が50%、5〜10年効果が持続するといわれ費用は1万円未満です。
そして近年登場した帯状疱疹専用のワクチンは、接種回数は2〜6カ月の間隔をあけて2回、予防効果が50歳以上で97%、70歳以上で90%、持続年数は10年以上と、より高い効果が期待できます。
なお、このワクチンは50歳以上の方が対象となりますが、昨年6月より疾病や治療等で免疫が低下している可能性のある18歳以上の方も対象になりました。 病院にもよりますが、2回で概ね4万〜4万6千円の費用がかかります。自治体によっては接種費用の助成があり、美唄市の助成開始が待たれるところです。
(執筆者紹介/なかむら内科・消化器内科クリニック院長)