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むし歯予防とフッ素配合歯磨剤 (フッ化物配合歯磨剤) 美唄歯科医師会・滑川 貴彦 |
歯の質の強化(脱灰(だっかい)の抑制など)や再石灰化促進などのむし歯予防効果が認められているフッ素(以下フッ化物)配合歯磨剤は今は手軽に入手可能です。
今回はむし歯予防に効果的な使用方法を説明します。 歴史を紐解くと西欧では20世紀中頃からフッ化物配合歯磨剤の使用でむし歯の罹患(りかん)率が減少した事が知られており、日本では1950年代からその安全性と有効性が確認されております。 歯磨剤は成分表にフッ化物濃度(ppmF)の表記があり「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化第1スズ」と記載されている製品を選ぶのがポイントです。 本年1月に日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科学会からその新しい利用方法が発表されました。 利用方法は年代別に分類され、フッ化物濃度1000ppmF(製品で900〜1000ppmF)の製品を歯が生えてから2歳までは歯ブラシに米粒大、 3〜5歳はグリンピース大程度の量を使用します。乳児の場合は不要な飲み込みを避けるため残った歯磨剤を拭き取っても良いでしょう。6歳から成人、高齢者は1500ppmF(製品で1400〜1500ppmF)の製品を歯ブラシ全体に1・5〜2cm程度使用します。 就寝直前を含めた1日2回の歯磨きが効果的。3歳から高齢者は歯磨き後のうがいには少量の水で1回程度が良いと推奨されています。 歯ブラシの毛の太さはおおよそ0・2mm。それより小さなむし歯菌を完全に除去することはできませんが、むし歯になりやすい部位にもフッ化物は行き渡ります。 分からないことはかかりつけ医に相談した上で、上手に使用してお口の健康に役立てましょう。 (執筆者紹介/なめかわ歯科クリニック院長) |