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その疲れやすさ、 心臓弁膜(べんまく)症かもしれません 美唄市医師会・花田 亜希子 |
最近テレビで「加齢のふりしてやってくる。心臓弁膜症」というコマーシャルを見たことはありませんか。 心臓病というと「胸が苦しくなる」「命にかかわる」イメージがありますが「最近疲れやすくなった」「ちょっと歩いただけで息が切れる」「ドキドキする」という症状から見つかることが多いのです。 心臓弁膜症が疑われる患者さんに「こんな症状がありませんか」と伺うと「年のせいだとばかり思っていた」と驚かれます。 心臓弁膜症は心臓にある4つの「血液の逆流を防ぐ弁」の病気で、弁の閉まりが悪くなって逆流する「逆流症」と、弁の開きが悪く血液の出口が狭くなるケース「狭窄(きょうさく)症」があります。 診察で胸に聴診器を当てると大抵わかります。残念ながら自然に良くなることはめったにありません。 治療はお薬で症状をやわらげる方法と、手術で胸を開き、いったん心臓を止めて弁を治す方法がありますが、最近は胸を開かなくても「カテーテル」という管を使って人工弁を置いてくる手術がよく行われています。 特に「大動脈弁狭窄症」は失神したり突然死することもあり、早めの発見・治療が必要です。 患者さんにカテーテル手術の説明をすると「もう年だからいいわ」と言われることが多いのですが、ご高齢や重い病気のため体力がなく、手術に耐えられない方のために開発されたといってもいい治療法なのです。 「去年よりも息が切れるな、動くのがおっくうだな」と感じたら、一度循環器内科を受診してみてください。 (執筆者紹介/花田病院副院長) ![]() |