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「座りっぱなし」は命を縮める? 美唄市医師会・秋野 信子 |
最近「座る時間が長いほど人間の寿命は短くなる」と言われ、「座りすぎ」がもたらす健康リスクの議論が増えています。 スウェーデンカロリンスカ医科大学のヘレニウス教授は「座って過ごす時間の長い人ほど遺伝子のテロメアが短い」ことを発見しました。 テロメアとは、染色体の末端についている保護キャップで、染色体の末端が「擦り切れない様」にする作用があり、靴ひもの両端についている プラスチック製の覆い(アグレット)に例えられます。 テロメアは生まれたばかりの赤ちゃんの時が一番長く、細胞が分裂する度に少しずつ短くなり、無くなってしまうと細胞分裂が停止して、細胞は死滅すると言われております。 すなわちテロメアは長い染色体ほど劣化しにくく、体の若さを保っているという事です。 このテロメアの短縮予防に効果的な生活様式が、「座っている時間を減らす」すなわち「立っている時間を増やす」ということは、新たに運動を始めるよりも簡単に取り組めることですよね。 1時間に5分の散歩でだいたい大腿動脈の血流が正常に保たれるという実験結果もあります。 今まで適度な運動や適切な食生活、良質な睡眠、人と人との良いつながり、ストレスをためないことなどは、健康寿命の秘訣(ひけつ)とされてきました。 さらにテロメアに注目することで、生活様式にも配慮した自分自身にできる健康増進に取り組んでいきたいものです。 (執筆者紹介/保健センター所長・小児科医師) ![]() |