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尿路結石の話 美唄市医師会・森田 肇 |
尿路結石は腎臓や尿管、膀胱(ぼうこう)の石のことです。 多くは腎臓で作られ、尿管や膀胱に移動してきます。 外来を受診される尿路結石の患者さんの多くは尿管結石で、床を転げまわるほどの強い痛みを訴えて外来に担ぎ込まれることも少なくありません。 一方、腎臓結石や膀胱結石は無症状のことが多く、検診で偶然見つかることもあります。 尿管結石の痛みには二種類あって、一つは結石が尿管を移動する際に尿管がけいれんする痛みで「疝痛(せんつう)」といいます。 疝痛は突き刺すような耐え難い痛みで、結石がある場所以外に下腹部に放散する痛みとして感じることもあり、尿管のけいれんがない時は無症状です。 また結石が膀胱近くまで来ると、膀胱を刺激して頻尿や残尿感を感じることがあります。 もう一つは結石が尿管をつまらせて尿が流れづらくなり、腎臓に尿が溜まって腫れることで生じる痛みで、「鈍痛(どんつう)」といいます。 鈍痛は背中に感じる重苦しい痛みです。結石は直径1cm以内なら、自然に排出される可能性が高いとされていますが、 結石の形や尿管との癒着などによって排出されにくい場合もあります。 尿路結石は近年増加傾向にあり、食生活や生活様式の変化、高齢化などがその要因と考えられています。 男性に多く、男性の場合7人に約1人が、また女性では15人に1人が一生に一度は尿路結石を経験するといわれています。 尿路結石は夏に多く、汗をかいて脱水になることで尿が濃くなりやすいためといわれています。 結石の発生予防のために、暑い季節には十分な水分をとることに心がけてください。 (執筆者紹介/北海道せき損センター泌尿器科医師) ![]() |