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変形性関節症と人工関節のはなし 美唄市医師会・東條 泰明 |
日本は経験したことのないほどの高齢化が進み有数の長寿国となりました。 しかし年齢による身体の変化のため若いころと同じように元気に過ごすことは容易ではありません。 今回は生活の質に大きくかかわる関節の問題について述べたいと思います。 関節は隣り合った二つの骨の連結部の構造で、向かい合った表面には滑りを良くし衝撃を和らげるための軟骨があります。 残念ながらこの軟骨は修復する能力をほとんど持っておらず年齢とともに薄く、弱くなっていきます。 痛みなどを起こした場合には変形性関節症と呼ばれる病気として治療の対象となります。 どこの関節にも起こりますが大きな関節だと生活の質が低下する原因となってしまいます。 外来では薬や注射、リハビリテーションが治療の中心です。しかしそれでも効果が得られなかった場合の治療が問題となります。 軟骨には修復する能力がほとんどなく、程度の差はあれ進行するため最終的にはより大きな治療が必要になります。 その代表的なものが人工関節です。骨の表面を削り取り、金属などで関節を人工的に造り直す方法です。 痛みを軽減させることが期待できる反面、手術に伴うリスクや人工関節そのものの寿命が課題でした。 しかし今では以前より長持ちし、より安全に管理することができるようになったため一般的な治療になってきました。 膝、股関節が主に行われますがその他の部位にも行われます。痛みがないことは質の良い生活を送るために大切な要素です。 年のせいばかりではないかもしれません。気軽に整形外科へかかられてはいかがでしょうか。 (執筆者紹介/北海道せき損センター整形外科部長) ![]() |