“新型コロナウイルス感染症後の症状“
にも注意を

美唄市医師会・松江 弘一

美唄市民の方々の中にも新型コロナウイルスに感染し抗原定量検査、抗原定性検査、PCR検査が陽性の方がここ数カ月の間に増加しています。
幸い今流行しているウイルス株はオミクロン株で、比較的無症状や軽症のお子さんや若年者の感染者が多く高齢者や基礎疾患をもっていらっしゃる方の重症化や死亡例が減少傾向にあります。
しかし感染した多くの方は、発熱、全身倦怠感、咽頭痛、咳、痰、呼吸が苦しい、関節が痛いなど多彩な症状を訴えて、発熱外来を受診されます。
一般に症状は自然に消退したり消炎鎮痛剤、解熱剤など“かぜ“症状と同じ投薬などで軽快する方がほとんどです。
一方では、2から3カ月たっても他の疾患による症状として説明がつかない症状が続く方が、いわゆる“新型コロナウイルス感染後遺症“と呼ばれ、 倦怠感、疲労感、関節痛、筋肉痛、しびれなどの全身症状、集中力の低下、不眠、頭痛、記憶障害などの精神神経症状、咳、痰、息苦しさ、胸の痛み、 動悸などの呼吸器症状、消化器症状として腹痛、下痢、味覚臭覚障害、脱毛などに悩まされる方がおります。治療には特別な治療が必要としない症状から長期にわたるサポートが必要な症状など多彩で、 道内各地にも専門外来を設ける医療機関が増えています。
そのため、かかりつけ医が慎重な経過観察や対症療法を行い、必要に応じて症状に見合った専門診療科への受診や総合的に診療する医療機関への紹介が良いのではないかと思います。
この様な症状が続くときにはかかりつけの医師に相談するか、北海道新型コロナウイルス感染症健康センター
(24時間「フリーダイヤル」0120ー510ー507)
保健所に問い合わせをして受診診療施設の相談をしてください。
この様な後遺症にならないためにも、今一度感染予防についてチェックをして、一人ひとりができる感染予防対策をお願いします。
(執筆者紹介/市立美唄病院医師)