高血圧@
今、日本の高血圧患者さんが大変!

美唄市医師会・山口 康一

多雪、コロナ禍の厳冬がやっと明けつつある折、皆様には心よりお見舞い申し上げます。我が国の高血圧の現状をお伝えします。
1.日本の高血圧人口は危機的に増加中
2020年、日本人の3人に1人が高血圧患者さん (4,300万人/総人口約1億2,000万人)でした。
すでに国民の3分の1は高血圧で、今後も高齢化の影響で増え続けていく見込みです。次に、4,300万人の患者さんの治療現況です。
@適切な治療を受けている:1,200万人 27%
A治療不十分:1,250万人(高血圧の自覚症状が少ないためか?)
B未治療の方が1,850万人(内訳は以下のとおり)
(1)高血圧と分かって未治療:450万人
(2)高血圧の自覚症状なく未治療:1,400万人
2.高血圧はそれだけにとどまらず、大きな疾患、結果へとつながっている可能性も!
日本人の死因(2020年)は以下のとおり、
1位…悪性新生物(27.6% 37万人)
2位…高血圧症を除く心疾患(15,0% 20万人)
3位…老衰(9・6% 13万人)
4位…脳血管疾患(7・5% 10万人)
の順ですが、2位の心疾患と4位の脳血管疾患の合計30万人のうち、10万人の発症が基礎疾患の高血圧に起因あるいは発展・増悪により起こったといわれています。
さらに、別の評価では、65歳以上の要支援者・要介護者となった原因の第1位は認知症、次いで第2位は脳血管疾患でしたが、 最大の基礎疾患は高血圧です。また、高血圧の方の寿命は、正常血圧の方と比べ男女とも2〜2,5年短く、常に存命にも負担がかかっています。
以上、本邦の高血圧の現状をお話し致しました。
(執筆者紹介/コミュニティーホーム美唄施設長)