少しのお酒で顔が赤くなる人は要注意
美唄市医師会・足立 智昭

お酒を飲み始めた頃、少しのお酒で顔が真っ赤になった人は多いのではないでしょうか? 最初はお酒に弱かったけれども、今では強くなり毎日たくさん飲んでいる方も珍しくないでしょう。 そういった方、実はかなり要注意なんです。
お酒を飲んですぐ赤くなる人は、アルコールを無毒化していく酵素の一つ(二型アルデヒド脱水素酵素)が生まれつき力が弱いのです。
この酵素の力は生まれつき全くない方と、力の強い方、弱い方に遺伝により分かれます。 全くない方はすぐ具合が悪くなるのでお酒は飲めません。
逆にこの酵素の力が強い方は赤くもならず、もとからお酒に強いんです。
力の弱い方は最初はお酒ですぐ酔っ払い赤くなるのですが、鍛えていると次第に強くなります。
しかしそのまま長期間常習飲酒を続けると、食道がんやのどのがんになる危険がすごく高くなるのです。 それはアルコールから変化したアセトアルデヒドという発がん性の高い物質の濃度が、この酵素の力が弱いことによって、 食道やのどで高くなりやすいからです。恐ろしいですね。 そうは言ってもお酒が好きになってしまった方はなかなかお酒の量を減らせませんよね。
ですから、50を過ぎたらぜひ年に一度は上部消化管内視鏡検査を受けて、のどや食道に悪いものができてないかよく診てもらいましょう。
この部位のがんはすごく早く見つかれば内視鏡手術で治せる可能性がありますので、定期的な検査をお勧めします。
(執筆者紹介/花田病院消化器内科医師)