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体のあちこちが痛い: リウマチ性多発筋痛症の話 美唄市医師会・竹田 剛 |
冬になって寒くなり、筋肉が硬くなって痛みやすい季節になりました。 これは寒さで血管が収縮して筋肉の血行が悪くなるためで、温かいお風呂に入ったら少し楽になったという経験がある方も多いのではないでしょうか。 一方、全身の筋肉が痛くなり、お風呂に入ってもよくならず、日に日に悪化してくるのが今回ご紹介するリウマチ性多発筋痛症という病気です。 リウマチ性多発筋痛症は、ある日突然筋肉が痛くなるという形で発症します。 病気の名前の通り多くの部位に筋肉痛が起こりますが、主に痛くなるのは両側の肩、上腕、腰や臀部(でんぶ)、大腿(だいたい)などです。 今の時期だと、雪かきの後の筋肉痛だと思ってたら体中が痛くなって2週間もしないうちに歩けなくなるという患者さんも見受けられます。 症状は朝に強く、筋肉痛以外の症状として、朝に強いこわばり、手足のむくみ、37〜38℃前後の発熱などがみられます。 関節リウマチと区別がつきにくいため、診断には専門医による診察が必要です。 治療には副腎皮質ステロイド剤というお薬がとてもよく効きますが、急にお薬をやめると再発し、 また後から関節リウマチに移行することもありますので、診断がついたら主治医の先生の指示通りにお薬を続けることが大切です。 リウマチ性多発筋痛症は、70歳〜80歳に発症のピークがあり、昨年当院リウマチ・膠原(こうげん)病外来を初診された患者さんは21人と決してまれな病気ではありません。 もし、日に日に強くなる体の痛みがある場合には、お早めに当院内科リウマチ・膠原病外来にご相談ください。 (執筆者紹介/北海道せき損センター内科、リウマチ、膠原病センター長) ![]() |