コロナワクチン接種は
誰のためと考えるか?

美唄市医師会・井門 明

美唄市でも、新型コロナワクチンの高齢者への接種が5月から開始されています。
この原稿が掲載される7月には、多くの市民の方が接種を受けていることと思います。
私ども美唄市医師会も、市の接種対策チームと連携して、希望する65歳以上の方が全員7月中には2回の接種を終えることができるよう、 接種体制を整えました。
感染者がまん延する今(5月20日執筆)の状況において、ワクチンを打てる安心感は大きいと思います。
しかしながら、その一方で接種をためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その理由の一つは、副反応への心配だと思います。 接種部位の痛み、発熱、だるさ、頭痛、まれに重いアレルギーのアナフィラキシーの報告もあります。
ただ、アナフィラキシーも適切な処置により後遺症を残すことなく回復し、他の副反応も多くの場合、数日で軽快するとされています。
私自身は、2回目の接種後数日間、接種部位の腕に痛みを感じていましたが、日常生活に支障となることは全くありませんでした。 若年層ほど副反応が強く出るようです。
では、ワクチンの効果はどうでしょうか?現在使われているファイザー社製のワクチンは、 95%の有効率で重症化や発症を抑えることができたと報告されています。
さらに、5月に医学雑誌ランセットに掲載されたイギリスからの報告では、接種により92%の感染予防効果もあったとのことです。 これは、ワクチンを接種することにより、「自分を守るだけではなく、家族を含めた周囲の人への感染を防ぐことも期待できる」ということを 意味しているのだと思います。
ワクチン接種を迷っている方は、接種による利益とリスクを十分検討し、どうするか判断して下さい。 かかりつけ医がある人は、ぜひ主治医にも相談して下さい。
(執筆者紹介/井門内科医院院長)