歯科疾患(病気)のお話
美唄市医師会・川上 譲治

歯科の中での2大疾患であるう蝕(うしょく)(虫歯)、歯周病(歯槽膿漏)は聞いたことがあると思いますが、 その他に歯科ではどのような病気があるかを紹介します。
歯科では歯以外の病気には、口腔内の粘膜すなわち、上下口唇(こうしん)、頬、口蓋(こうがい)、口底粘膜や舌および歯肉に出来るものがあります。
その中で一番多い病気は口内炎です。自然に7〜10日位で治癒しますが、痛みが強い場合などは治療が必要になります。 一般的に薬物療法がそのほとんどですが、近年ではレーザー照射なども行われるようになっています。
また、歯科用金属によるアレルギーで口腔内扁平苔癬(たいせん)や手・足・背中などの皮膚炎を生じる方がいます。
この扁平苔癬は口腔内の粘膜に細い乳白色の線状やレース状の白斑が生じ、発赤、びらん、潰瘍が見られ接触痛やピリピリした感じが生じることもあります。
このような場合、皮膚科で歯科用金属のパッチテストを受け、その結果で歯科を紹介して頂き、金属を除去することにより、 これらの病気が治癒することがあります。
顎関節の病気も歯科で診ますが顎関節脱臼(顎が外れて戻らない)が多く知られています。 これは開口位から咬合(こうごう)ができない状態です。
この他に顎関節症があり、顎関節の病気の中では最も多く、その症状は顎関節の雑音、顎関節やその周囲筋の痛み、 顎関節の運動障害(口が開かない、閉じない、引っかかる)があります。
治療としては、一般的に薬物療法、スプリント療法が多く、重症例では外科療法が行われることもあります。
口腔内や顎などで心配なことがあったら、かかりつけ歯科医や近所の歯科医院を受診し、相談してみて下さい。
(執筆者紹介/メロディー歯科クリニック院長)