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最近の便秘薬事情 美唄市医師会・中村 雄一 |
ここ数年、新しい種類の便秘薬が増えています。 2017年には、腸の中での水分の分泌を促すことで便を軟らかくし、便秘による腹痛や不快感を和らげる薬が処方できるようになりました。 2018年には同じく腸の中で水分を分泌させつつ、腸のぜんどう蠕動運動を促すものが登場しています。 また、薬の形も種類が増え、2018年に登場した粉状の薬を水に溶かして飲むタイプのものは、もともと大腸検査の前処置として 腸管洗浄に使われていた薬を改良したものです。 2019年には、もともと別の分野で使われていたゼリー状の薬が、便秘薬として使えるようになりました。 どちらも消化管で吸収されないためそのまま腸まで届き、便を軟らかくしつつ便の容量を増やすことで、腸の蠕動運動を促すことができます。 このように新しい便秘薬が増え、どの薬もこれまで多用されていた大腸を無理やり刺激して便を出す薬とは違いクセになりません。 その一方で、効果が出るのに数時間から数日かかり個人差もあるため、即効性がないように感じるかもしれません。 飲んですぐに効かないからとやめてしまうのではなく、すぐ効果があるものではないことを理解して、気長に飲み続けることも大切になってきます。 便秘薬を処方してもらう際には、どういった作用でどれくらいで効いてくるものなのかをしっかりと確認しましょう。 便秘の改善には、食生活・運動・生活リズムの改善が何より大切です。 生活の中で改善できるところは改善し、必要であれば薬も使いながら便秘を解消していきましょう。 (執筆者紹介/なかむら内科・消化器内科クリニック院長) |