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老後に視機能を失わないために 美唄市医師会・佐藤 克俊 |
以前、早期発見早期治療というコラムを書かせていただきましたが、残念ですがその後も初診される時期が遅い方が非常に多いです。 白内障は年齢とともに100%罹患します。緑内障は40歳以上では有病率が5%を超え、年齢とともに有病率が上がります。 以前ほどではありませんが80歳を過ぎて眼科を初めて受診する、という方もまだ少なくありません。 当然高確率で白内障や緑内障、最近は黄斑変性症が見つかり即手術や要治療となります。 白内障は年齢とともに進行し、進行に伴い手術時合併症のリスクが高くなります。 また緑内障と黄斑変性症は神経が損傷する不可逆性の疾患で、進行を抑える治療はありますが失われた神経は元に戻りません。 白内障手術時合併症のリスクファクターとしては、進行した白内障、高齢、強度近視、緑内障などが挙げられます。 高齢になり初めて検査を受ける方は白内障の手術、その後の治療も難渋する方が少なくありません。 個人差があるので一概にはいえませんが、安全に白内障手術を行えるのは70歳代後半まで、それ以降は手術時合併症のリスクが高くなる傾向にあります。 健康診断もあまり受けていない方が非常に多く、検査自体が初めてという方も少なくありません。美唄市の検診センターには眼底カメラが無く、 これでは緑内障の検査が行えません。 最低限、70歳未満では3〜5年に1度、70歳以降は1〜2年に1度程度の眼底写真検査のある検診を受けるか 眼科を受診しましょう。70歳台以降で眼科検査歴無しというのはかなり異常な事態と考えて下さい。 (執筆者紹介/びばい眼科クリニック院長) ![]() |