脚のしびれ・・・
それ、腰が原因かもしれません

美唄市医師会・渡辺 尭仁(たかまさ)

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)という病気をご存知でしょうか? 腰骨には脚にいく神経のトンネルが走っていますが、長年の経過でトンネルの壁がガタついて狭くなり、 結果として脚にいく神経が圧迫を受けてしまう病気です。
脚の軽いしびれやだるさ、鈍い痛みから始まり、ひどくなると筋力の低下や排尿・排便の障害も見られます。
歩き続けると症状が強くなって歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」 という症状もこの病気に特徴的です。
腰を曲げると神経のトンネルが少し広くなるので、スーパーでカートを押したり、自転車に乗ったりするのは楽な場合がほとんどです。
診断は症状、診察による所見、レントゲン・CT・MRIなどの画像所見から総合的に判断します。 ほとんどの場合は保存治療(飲み薬など)で対応できますが、日常生活や仕事にも不便を強いられる場合は手術が必要になることもあります。
若い方には少なく、ご高齢の方がなりやすい病気であり、手術患者さんの年齢も年々高齢化しています。 逆に言うと、ご高齢の方でも比較的安全に手術を行えることが多いとも言えます。
ガンのように寿命を縮める病気ではありませんが、健康寿命(日常生活に制限なく生活できる期間)を縮める困った病気です。 脚の血管が原因で似たような症状が起きることもありますので、気になる方は一度整形外科を受診することをお勧めします。
(執筆者紹介/北海道せき損センター整形外科副部長)