救命処置ってどうするの?
美唄市医師会・高田 哲男

前回、救命処置には病院外での初期治療が重要であり、皆様の手が必要だという事を書きました。 今月は具体的な方法をお話しします。
目の前で人が倒れたとき、まずは周囲の安全を確認します。 車が走ってくるような場所ではありませんか?二次被害が起こる事はありませんか?
そして、声を掛けます。「大丈夫ですか?」肩を叩きながら声を掛けてみましょう。
反応があれば良いのですが、反応がなければ一大事です。
意識がありません。すぐに、周りに声を掛けます。
「皆さん、意識がない方がいます。救急車を呼んでください。
誰かAEDを探してきてください」

次に呼吸をしているか見ましょう。普通の呼吸と違えば、すぐに胸骨圧迫を開始します。胸の真ん中を強く、 速く、絶え間なく。痛がってくれれば大丈夫ですが、反応がなければ間違いなく心停止しています。 怪しければ胸骨圧迫です。
方法は5pから6pの深さで、1分間に100から120回くらいの速さで、と言われます。覚えなくて大丈夫です。 強く、速く、絶え間なく押してください。
見ず知らずの人に人工呼吸は難しいと思います。幸い、胸骨圧迫だけでも十分、というデータがありますので、 しっかりと胸骨圧迫を頑張りましょう。
AEDが届けば、AEDの電源を入れ、パッドを胸に張ります。 心臓を挟むように右肩と左脇です。後はAEDの指示に従い、救急隊が到着するまで胸骨圧迫を継続します。 これを読めば明日から実践できますか?無理ですよね。いろいろな講習会がありますので、ぜひ、ご参加いただき、 市民の皆様の力で美唄の救命率を向上させましょう!
(執筆者紹介/市立美唄病院内科医長)