骨髄バンクについて
美唄市医師会・城下 紀幸

最近骨髄バンクのドナー登録者が増えているそうです。
水泳の池江璃花子選手が急性白血病と発表され何とかしたいと思われた方が多くいたからでしょう。 私も札幌で勤務医をしていた頃、コーディネイターと共に地区調整医師としてボランティアで骨髄バンクの仕事を10年程していました。
骨髄移植にはHLAという白血球の型が一致したドナーから骨髄を移植します。
しかしHLAは数万通りの型があり(兄弟は4分の1で一致)、ドナーが簡単には見つかりません。 そこで骨髄バンクが設立され一般の方々にドナー登録していただき、骨髄移植が必要な患者さんに健康な骨髄を提供するお手伝いをさせていただくことになりました。 先程HLAは数万通りの型があると書きましたが、であれば少しでも多くの方が登録して頂ければドナーが見つかる確率は高くなり、 一人でも多くの病気の方を救える可能性が増えます。ですから少しでも多くの方にドナー登録をとお願いしたいところですが、いくつかの条件があります。 年齢や健康であることはもとより、骨髄提供の内容を十分理解していることや、家族の同意を得ているかなどです。 更にドナーに選ばれたら何度かの面談や検査を経て、数日間の入院の上、全身麻酔で腸骨から骨髄液を1リットル前後採取される事になります。 麻酔事故の可能性や術後に痛みなどが残る方もゼロではありません。もちろん無償のボランティアです。 バンクに登録するという事は安易な気持ちでは出来ないということです。 厳しい事を言うようですが、そこのところをご理解いただき登録していただけるとありがたいです。
(執筆者紹介/しろした病院院長)