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健康に深刻な影響をもたらす PM2.5 美唄市医師会・井門 明 |
3月上旬から、大気中のPM2.5の濃度が高くなっているというニュースが、頻繁に報道されています。 PM2.5は直径が千分の2.5ミリ以下の微小粒子状物質で、石油、石炭、植物の燃焼や自動車の排気ガスなどが発生源とされています。 呼吸により肺の一番奥の肺胞まで入り込み肺ガン、気管支喘息、心臓病などの病気を発症する原因となります。 米国がん協会の研究では、PM2.5が10ug/m3上昇すると、住民の全死亡率が6%、心臓や肺疾患の死亡率が9%、 肺ガンの死亡率が14%それぞれ増えることが示されています。 日本の環境基準値は35ug/m3、都道府県が外出自粛の注意喚起を行う目安は70ug/m3です。 今後の観測データに注意を払いたいところです。 ところで、タバコの煙にもPM2.5が多量に含まれており、その粒径はPM2.5の中でも特に小さい1um以下であるとされています。 WHOの報告では、喫煙者のいる家庭のPM2.5濃度は、喫煙者のいない家庭よりも約30ug/m3高いとされています。 また、産業医大の大和教授の研究によりますと、走行中の自動車内で喫煙すると、運転席の窓を10センチメートル開けていても後部座席での PM2.5濃度は3,000ug/m3まで上昇し、4つの窓を全開にしても後部座席でのPM2.5濃度は700ug/m3にまで達すると報告 されています。 特に受動喫煙による健康への影響が大きい妊婦や未成年者が同乗する自動車内、そして妊婦や未成年者がいる部屋では、 喫煙をしないようお願いします。 (執筆者紹介/井門内科医院院長) ![]() |