長引く咳は
「咳ぜんそく」かもしれません

美唄市医師会・花田 太郎

咳が長引いていても「風邪が治っていないのかな」と軽く考えがちですが、2週間以上続く咳は風邪ではない可能性があります。
ヘビースモーカーであれば、肺気腫(タバコで肺が壊れる病気)も疑わしい疾患ではありますが、近年、増えているのが 「咳ぜんそく」です。
咳ぜんそくは、気管支ぜんそくの一歩手前の状態で、放っておくと3人に1人は気管支ぜんそくに移行するといわれています。
咳ぜんそくは風邪などがきっかけで発症することが多いのですが、花粉症などと同じくハウスダストや花粉などのアレルギーで発症することもあります。
気管が敏感になっているため、天候や気温の変化、体が温まった時(布団に入った後など)に悪化します。大人ではストレスも大きな要因です。
細菌が原因の気管支炎は抗生物質の投与、ウイルス性の気管支炎は経過観察で改善しますが、「咳ぜんそく」はぜんそくの治療をしなければ改善しません。
治療は吸入薬が主流で、一日1回〜2回の吸入薬に抗アレルギー剤や咳止め、気管支拡張剤などを加えます。
ただし、咳ぜんそくは風邪以外の咳が出る病気(肺炎、肺ガン、肺結核、先述した肺気腫など)ではないことを確認しなくてはいけません。
長引く咳の際は必ず、病院でレントゲンやCT検査を受けてください。
(執筆者紹介/花田病院院長)