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腰椎椎間板ヘルニアって どんな病気? 美唄市医師会・辻本 武尊 |
腰痛の原因の一つに腰椎椎間板ヘルニアという病気があります。 腰骨(腰椎)の中でクッションの働きをしている椎間板が変形して飛び出してしまう病気で、悪化すると腰痛の他にもお尻や太もも、 ふくらはぎのしびれや痛みを感じたり、足が動かなくなる(麻痺(まひ))などの症状が出現します。 これらの症状は飛び出した椎間板が腰椎の中を通る神経を圧迫することで生じます。 腰椎椎間板ヘルニアの診断では神経学的検査と画像検査によって行われます。 神経学的検査では筋肉の力を一つ一つ確認した上で、皮膚の感覚を注意深く調べ、筋力低下や麻痺がないかどうかを診断します。 画像検査ではレントゲンやCT、MRIなどを利用します。ただ、画像検査で椎間板ヘルニアが確認されたとしても、 病的な痛みに結びつくとは限りませんので、担当の医師とよく相談して下さい。 腰椎椎間板ヘルニアの治療は鎮痛剤や温熱療法、けん引療法などの保存療法と手術療法があります。 多くの場合、保存療法で症状は改善しますが、非常に痛みが強い場合や重度の麻痺がある場合は手術療法を選択します。 さらに、保存療法を3カ月以上行っても症状の改善がない場合などでも手術療法を行うことがあります。 また、他の方法として、昨年新たに椎間板内に酵素を注入して低侵襲(ていしんしゅう)でヘルニアを縮小させる薬剤が発売されました。 いずれの治療についても患者様の生活状況や症状によって適応が変わるため、担当医師とよく相談して決めていくことが重要です。 他にも背骨のことでお悩みの場合には、お気軽にご相談下さい。 (執筆者紹介/北海道せき損センター整形外科副部長) ![]() |