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日本人の糖尿病の傾向(2) 美唄市医師会・山口 康一 |
前回は @糖尿病(DM)とは? A戦後の炭水化物摂取低下等食事の欧米化 で日本人のDM患者が増えたことをお話致しました。 今回は、DM人口を激増させた一番の犯人のお話です。 その本邦の食生活を激変させた食品群は肉類等油脂の摂取増で、油脂類の摂取熱量は、平成22年には60年前の昭和25年と比べ3.5倍(厚生労働省資料) にもなりました。 また、油脂の中には、インスリンが細胞内に通り抜けづらくさせるよう、細胞膜に変化を起こさせ、血糖を下げづらい体質を作ってしまう厄介者の 「飽和脂肪酸」も増加いたします。 さらに、日本人のように「農耕+穀類主食民族」は概して、紀元前より「低カロリー」で生活しているため消化管に入ってきた食品には速やかに処理すべく インスリンが分泌されます。 ここで大事なことは、インスリンの「生涯分泌量は決まっている」ため、高カロリー食を摂取しますと、例えば先の油脂摂取の割合が増えた時など (脂肪の熱量は、糖・蛋白の倍)インスリンは「予定使用量」をこえて分泌し続けます。 高カロリー食や太り気味の生活は、中年頃からインスリン不足を招き、DMになる可能性は高くなります。 日本人にとっての高カロリー食とは、摂取カロリーがいつもより「わずか」多いだけで成立するのです。ですから、普段から、少しずつ運動し DMを寄せつけない体づくりをしませんか? (執筆者紹介/コミュニティホーム美唄施設長) ![]() |