「立てない」「歩けない」を予防しよう!
〜食生活とロコモ予防〜

美唄市医師会・尾崎 正大

要支援、要介護となる原因の1位は骨や関節、筋肉とといった運動器の障害です
(1位・・運動器障害25%、2位・・脳血管疾患19%、3位・・認知症16%)。
運動器の障害のために「立てない」「歩けない」といった状態を、メタボリックシンドロームの「メタボ」にちなんで、ロコモティブシンドローム「通称ロコモ」というのをご存知でしょうか?
ロコモは運動器の障害ですから、運動することが予防に大切であることは容易に想像がつくと思いますが、運動器である骨や筋肉の材料となるのは毎日の食事です。
ですから、食生活からロコモを予防することもとても重要です。「栄養バランスが大事」とよく聞きますが、具体的に摂取すべき食品は
1.肉、2.魚介、3.卵、4.大豆・大豆製品、5.牛乳・乳製品、6.緑黄色野菜、7.海藻類、8.いも、9.果物、10.油を使った料理の10品目です。
それぞれについて、ほとんど毎日摂る場合に1点とし、合計10点満点で点数をつけてみると、高齢者でも4点以上の人は歩行速度が速く、6点以上の人は握力が強いということがわかっています。
主食(米やめん類)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、副菜(野菜・きのこ・いもなど)に乳製品や果物をそろえるのが理想的ですが、朝昼晩と毎食そろえるのはなかなか難しいという方もいらっしゃると 思います。そんな時は、1日の食事の中でバランスを考えたり、あるいは1週間の中で無理のない程度にそろえてみましょう。
また、肥満も痩せすぎも良くありません。肥満は腰や膝に負担がかかってロコモの原因になりますし、ダイエットなどで栄養不足になると骨や筋肉の量が減ってしまってこれもまたロコモの原因になります。 バランスよく摂取してロコモにならない身体をつくりましょう!
(執筆者紹介/北海道せき損センター整形外科副部長)