砂糖について

美唄歯科医師会・平 隆一

「疲れた時には、甘いもの」として「砂糖の含まれたお菓子や飲み物」を考えるのはあたり前と思っていませんか。
遠い昔なら、砂糖自体、存在していませんでした。その頃は、甘いものを食べたいときには、果物を食べていました。
このことから、「疲れたときには、甘いもの」は、『果物を食べたい』というのが、人間本来の欲求だったのです。
果物には、糖質以外に、ビタミンCやクエン酸が含まれるものが多く、これらが疲労回復の役に立っていたのです。
砂糖は、虫歯や歯槽膿漏(歯周病)の原因や悪化させる要因であり、また肥満の要因にもなります。
昭和20年代や30年代には、子供の虫歯が爆発的に増加しました。
この時代は、砂糖の消費量の増加した時代でもありました。
ところが、最近は、学校健診に行くと、年々、虫歯が減少していることに驚きます。
この理由は、お母さん方の虫歯に対する知識の増加によるものです。
でも、ほんの一部のお子さんの虫歯の状況は、ひどいままです。
これをなんとか改善する方法が、学校におけるフッ素洗口です。
意外と気づきづらいのが、缶コーヒーと、スポーツ飲料です。コーヒーは苦いので、砂糖を摂取していることに 気づきづらいのですが、大量の砂糖が入っています。
また、スポーツ飲料は、子供が風邪をひいたときなどに飲み、そのまま眠ってしまうと、虫歯の原因になります。 砂糖は、現代社会において、避けることはできませんが、知識を持ち、適切に使用することが必要です。
(執筆者紹介/平歯科医院院長)