血圧で薬を飲むのがお嫌な方へ
美唄市医師会・木村 眞司

皆さん、いい季節になってきましたね!美唄の春はとってもきれいですね。
さあ、今日は身近な「血圧」について考えてみましょう。高血圧、ほったらかしにしていませんか? 特定健診や人間ドックで、血圧がちょっと高いです、と言われたことのあるアナタ!損はさせませんから是非この先をお読みください。
私は52歳になりますが、10年前から血圧の薬を飲んでいます。母方の祖母からの遺伝と思っています。そう、高血圧は遺伝病なんです。 6割がた遺伝で決まります。だから「生活習慣病」という名前は必ずしも正しくないと私は考えています。
糖尿病しかり。確かにどちらも生活習慣(塩分の量、食事の量など)が関わってはいますが、それが全部ではないんです。 だって、完璧な生活習慣の方でも高血圧になったり、糖尿病になったりしますから。
ただ、遺伝とは言っても、子ども全員に遺伝するとは限りませんので念のため。「血圧の薬って、一度飲み始めたら一生やめられないんでしょう?」 とよく言われます。
より正しくは「ずっと飲んでいる方がいろんな病気の予防につながるから、ずっと飲んだ方がいい」と言うこと。 血圧を下げると、どんないいことが?
脳卒中の予防、心不全(心臓の打ち方が弱くなる)の予防、心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)の予防、ボケ防止、長生き、 腎不全(じん臓の働きが悪くなる)の予防、大動脈瘤の予防という効果があります。
最初っから薬を飲むの?いいえ、まずは食事の塩分を思い切り減らして、生野菜を山ほど食べて、運動もして…(軽く汗ばむような運動を週3回、1回40分以上)。 それで数キロ痩せられるなら、時には薬を飲まずに済む方も。こないだ、10キロも痩せて来られた方がいました! えーっ、そんなのできないよぅ、というアナタのような方もたくさんおられます。そのときはいさぎよく薬を飲みましょう。
そんなわけで、まあ、そう嫌がらずに、一緒に薬を飲みましょう!
気軽にお近くの医師にご相談くださいね。
(執筆者紹介/市立美唄病院非常勤医師 札幌医大医療人育成センター)