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診療を通じて、毎日痛感しております。 なんと骨粗鬆症性椎体骨折の多いことか!! 美唄市医師会・小松 幹 |
「世界保健統計」によると、2015年の日本人の平均寿命は83・7歳で、世界1位だったそうです。2050年までには92歳になる見込みで、人口の3分の1近くが70歳以上となるそうで、
ますます骨粗鬆症を含めた高齢者の健康に注目する必要があります。 命に直結するイメージの少ない「骨粗鬆症性椎体骨折」ですが、驚くべき事に、10年生存率は69%で、骨折をしなかった人 (86%)と比べて明らかに悪いというデータが明らかにされました。これは大腸がん(69・8%)、胃がん(69・0%)などと同等という結果です。 いかに骨粗鬆症と真剣に向き合っていくべきか考えさせられます。 一番簡単に取り組めるところとしては生活習慣の見直しです。日本人のビタミンD不足状態の人の割合はなんと81・3%に上るそうです。 女性に多く、喫煙習慣、日々の摂取不足が悪影響を及ぼします。また紫外線を極度に避けている人(1年中日焼け止めをしっかりと塗っている人)は体内での合成が不十分となります。 外歩きも大切ということですね。定期的に骨粗鬆症の健診を受け、自分の骨の状態を把握することも大事です。その上で、我々は患者さん個々の状態に応じて、いろいろな治療法をご提案できます。 先述のビタミンDのほかにも、骨を増やす薬剤は多種多様にある時代です。 しかしあくまで治療の主体は患者さん本人。なぜ治療の必要があるのかを理解していなければ継続的な治療につながりません。 他人(お医者さん)任せではいけないのです。骨を丈夫に、健康で明るく長生きを!! (執筆者紹介/北海道せき損センター整形外科部長) ![]() |