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トイレが近い・我慢出来ない・間に合わない 美唄市医師会・高松 恒夫 |
50歳くらいを過ぎてくると、若い頃と違ってトイレに行く回数が多くなったり、急に強い尿意を感じて我慢出来なくなったり、時にはトイレまで間に合わなくて漏れてしまうなどのオシッコに関するトラブルを経験することがあるかと思います。 最初のうちはそれほど困っていなくても、数カ月・数年かけて徐々に症状が強くなってきて日常生活に支障をきたし、泌尿器科を受診する患者さんがいます。 このような症状の原因の多くは、加齢に伴うぼうこう膀胱の神経の過敏状態によると思われます。そのため、膀胱内に少量しか尿がたまっていなくても尿意を感じ、 自分ではもう少し我慢しようとしても膀胱が勝手に収縮して尿を出そうとして、実際に漏れてしまうなどの症状を起こします。このような神経過敏状態の膀胱を過活動膀胱と言います。 また、加齢以外に何らかの病気が過活動膀胱の原因になっていることもあります。 脳梗塞・脳出血の後遺症、糖尿病、前立腺肥大症などです。 これらの病気では、排尿困難症状(排尿開始までに時間がかかる、尿の勢いが悪いなど)も訴える患者さんも多くいます。 過活動膀胱の治療は、膀胱の神経の過敏状態を抑える薬を服用して、膀胱にためられる尿量を増やし、膀胱の勝手な収縮を抑えることによって症状を改善します。 ただし、排尿困難もある患者さんについては、これらの薬の服用によって排尿困難がより強くなることもあるので、治療開始前後の残尿(排尿後に膀胱内に残っている尿の量)を調べて、必要であれば排尿困難を改善する薬も服用してもらいます。 (執筆者紹介/北海道せき損センター泌尿器科医師) ![]() |