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「訪問診療」 美唄市医師会・二川原 桂 |
訪問診療のお話をすると「往診のことですか?」と聞かれることがよくありますが、少し違います。
「往診」は、何か具合が悪くなった時に医者を呼んで自宅で診てもらうことですが、初診で往診を頼むようなことは今ではほとんどありません。 交通網や医療技術が格段に進歩している現代では、急な病気やケガで病院に行けないくらい状態が悪ければ、救急車を呼んで設備の整った病院へ運ぶ方が、医師が往診するよりも圧倒的に有利だからです。 訪問診療が得意とする分野は慢性疾患です。高齢で体力が低下して通院が難しくなった方や、病院での治療が終了して退院後は自宅で療養を続ける方などが対象となります。 病気や後遺症、障がいがあっても自宅で自分らしく生きられるようにお手伝いします。 最初にご本人やご家族と相談してどのような療養生活にするか計画を立てて、月に1〜4回位あらかじめ決めておいた日時に訪問します。 もちろん、必要時には臨時で「往診」もしますし、訪問看護師とはいつでも連絡が取れる体制を整えており、安心して療養生活を続けていただけます。 また、最期まで自宅で自分らしく生きたい、というご希望にもお応えします。 身体が弱ってくると自分でできないことも増えてくるので、在宅サービスを上手に使うとご家族の負担を減らすことができます。医師、看護師、薬剤師、リハビリ専門職、ケアマネージャー、ホームヘルパー等々、 いろいろな職種の人たちで連携してチームを組んで在宅医療を支えます。訪問診療を希望される方は、まずはかかりつけ医にご相談ください。 (執筆者紹介/市立美唄病院内科医) ![]() |