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高齢者の「何となく元気がない」 「食欲がない」 美唄市医師会・二川原 桂 |
美唄の外来患者さんも高齢化が進み、90歳代の方も珍しくなくなりました。 「このところ元気がない」「食欲がない」と、ご家族に連れて来られる方も時々あります。 「もう歳だから」と笑顔でおっしゃる方もあれば、認知症の患者さんですとご本人はケロッとしていてご家族だけが心配そうなご様子、 という状況に出くわすことも少なくありません。そういうときはご家族からの情報が頼りです。 まずは「いつから」元気がない・食欲がないのか。「3日前から」と「1年位前から」では、原因探しの方向性がかなり変わってきます。 他院で治療中の疾患(高血圧、糖尿病、ガンなど)がある方は、その治療状況も確認できると助かります。 また、処方されている薬すべての内容と、その薬を処方通りに実際に飲めているかどうかの確認も大事です。 高齢者では、複数の診療科からそれぞれ薬を処方され多数の薬になっていることも多く、薬の影響、 あるいは薬の飲み合わせの悪さが原因で活気が低下していることもあります。また、それまで「飲み忘れ」がとても多かった方が、 ご家族が薬を管理してくださるようになってきちんと全量内服するようになり、作用が強く出すぎて調子が悪くなることもあります。 お薬が原因のことは意外と多いので、おくすり手帳や薬剤情報は保管しておいて受診の際にはご持参ください。 「歳だから」老衰の自然経過のこともありますが、病気や薬の影響、環境要因など、さまざまな原因が潜んでいる可能性もありますので、 ご本人ご家族と一緒に考えていきたいと思います。 (執筆者紹介/市立美唄病院内科医) ![]() |