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帯状疱疹について 美唄市医師会・中村 雄一 |
帯状疱疹は、体の片側に起きる強い痛みと、痛みがある部分にできる帯状の赤み、水疱を伴う発疹が特徴の病気で、
子どもの頃にかかることの多い「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。発症は幅広い年代でみられますが、
特に50歳代以上でよくみられ、一生のうち6〜7人に1人がなるといわれています。 このウイルスは、初感染時の水ぼうそうが治ったあと、背骨の近くにある神経節に遺伝子の形で潜伏していますが、 ストレスや過労などで体の抵抗力が低下すると活性化され、神経に沿って神経を攻撃しながら皮膚に移動し炎症を引き起こします。 これが帯状疱疹です。 症状は、まず神経に炎症を起こすため、発疹が出現する数日〜1週間前くらいから、ピリピリ、チクチクとした痛みが起こります。 その後、同部位に虫に刺されたような帯状の赤い発疹ができ、次第にその上に水疱が集まってできます。 水疱は少したつと黄色く濁り、かさぶたとなって通常2〜3週間で治ります。帯状疱疹の痛みは、多くの場合、皮膚症状と前後して改善しますが、 一般に高齢の患者さんほど痛みが強く、発疹が治っても半年から数年以上も痛みが残る場合があります。 これを帯状疱疹後神経痛といい、ウイルスが長期間にわたり神経を攻撃し、神経に傷が残ったために起こると考えられています。 この後遺症を防ぐには、できるだけ早期に抗ウイルス薬による治療を開始することが重要です。 「帯状疱疹かな」と思ったら痛みを我慢せず、迅速な皮膚科またはかかりつけ医への受診をお勧めします。 (執筆者紹介/なかむら内科・消化器内科クリニック院長) ![]() |