脚のボコボコ血管の正体
美唄市医師会・花田 亜希子

ふくらはぎやひざ裏の血管が浮き出ている、蛇行している・・・それは「下肢静脈瘤」かもしれません。 見た目の問題ならズボンで隠せますが、なんとなく足がだるい、むくんで重たい、ほてる、かゆい、明け方に足がつる、などの症状があれば要注意です。
血管には「動脈」と「静脈」の2種類がありますが、老廃物を心臓まで運ぶ「静脈」の逆流防止弁が壊れてしまうのが静脈瘤の原因といわれています。
弁が壊れると老廃物を含んだ血液が血管をただよって、ボコボコとこぶのように血管がはれ、前述の症状がでるのです。 ちなみに、心筋こうそく・脳こうそくや大動脈瘤は、同じ血管でも「動脈」というドクドク拍動する血管のほうの病気です。
妊娠・出産がきっかけになることもあり、比較的女性に多いといわれていますが、男性でも立ち仕事の方、肥満、高齢者、運動不足の方によく見られます。
発症すると自然によくなることは少なく、年齢とともに悪化することがほとんどです。
治療は初期であれば医療用の弾性ストッキング着用が一般的ですが、ほかに薬剤を血管内に注射する治療やレーザー手術、静脈を抜去する手術などがあります。 手術までは・・・という方。 スポーツ店や薬局のサポート靴下ではなく医療用のストッキングを指示通りの期間、適切な部位に使用しないと十分な効果は得られないのでご注意を。
また、ストッキングは静脈瘤そのものを治すのではなく、あくまでも進行予防ですので症状の進んだ方や完治を希望される方は手術が望ましいでしょう。
(執筆者紹介/医療法人慶北会 花田病院 循環器内科)