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ガンは人ごとではありません 美唄市医師会・齋藤 克憲 |
少し前に、テレビの医療保険CMでは「日本人の2人に1人はガンになる」と言ってました。
ところが今や「日本人の2人に1人はガンで死ぬ」と言われるまでになりました。 逃げきれるものではない、で、どうする?「がんと闘うな」今流行の本があります。 でも、本当に読んだ方はどれくらいいるでしょう。この本は「たたかわなくても治る」とは言ってません。「たたかってもムダ」つまり「本物のガンになったら治らないから諦めろ。 たたかったらかえって早死にする」と言っているのです。この本はかなり乱暴な内容ですが、全部まちがっているわけではない。 現に私が美唄に来て何年も経ちましたが、今だに「なんでここまでほっといたの?」という方がとても多い。「これからたたかっても勝つ(根治切除)のは無理、時間稼ぎしかできない」 状態なのです。この時間稼ぎ(抗がん剤)には副作用がつきもので、効かない人も多いし諦めろ、というわけです(そんなこと言われても諦めきれるわけもないとは思いますが)。 古来より、名将は孫子の兵法「戦わずして勝つ」のが理想とされています。 ガンが相手でも同じ。敵は小さな芽のうちにたたく。つまり早期発見しかないのです。 早期ガンでは症状は出ません。痛いとか、具合が悪くなったらそれはもう進行ガンです。病気でガンを相手におおいくさ大戦になります。 病院は「病気になってから行く」所ではありません。「大戦になる前に」検診を受けましょう。2人に1人はガンで亡くなるのです。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター外科部長) ![]() |