逆流性食道炎の生活指導について
美唄市医師会・室谷 光治

逆流性食道炎は、胃液や胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、食道が炎症を起こし、胸やけなどの症状が生じる病気です。
食生活の変化などによって、最近、患者さんが増えているといわれております。病院受診をしてまず内視鏡検査を受け、他の疾患 を除外し、診断を受けた上で内服処方を検討するのが重要ですが、薬だけでなく生活習慣病としての対応も必要です。

1.胃液の逆流を起こしやすい食べ物を減らしましょう。脂肪分の多い食事は悪いです。チョコレート・ケーキ等の甘いもの、唐辛子 などの香辛料、みかんやレモンなどの酸味の強い果物などは、とる量を減らしましょう。

2.一度にとる食事の量を減らし、腹八分目を心がけましょう。

3.アルコールは、胃酸の分泌を増やすと同時に、胃の入り口の筋肉を緩めることが分かっており、避けましょう。 コーヒーなどのカフェインも胃酸の分泌を増やします。

4.肥満を解消させるとかなり違います。

5.姿勢も影響があり、日中は草むしりのような前かがみの姿勢を避けましょう。
寝るときは少し上半身を高くして寝ると、逆流が起こりにくくなります。食後3時間くらいは、胃の内容物の逆流が起こりやすいと いわれています。食後すぐに横になったり、寝る前に食事をとることは避けましょう。

6.ベルト、コルセット、ガードル、着物の帯など、お腹を締め付けるものは逆流を助長します。

7.タバコは逆流性食道炎を悪くします。


以上、逆流性食道炎の生活指導をまとめてみました。 検査としてはバリウムでは診断困難な場合も多いため、内視鏡検査をお勧めいたします。
(執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター内科部長)