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骨粗鬆症の不思議 〜骨密度が高いから大丈夫? 美唄市医師会・牛久 智加良 |
骨粗鬆症の検査では骨密度測定が一般的です。骨密度が低い方は骨粗鬆症と診断され、治療を受けることが勧められます。 では、骨密度が高い方は安心して良いのでしょうか?答えは「NO」です。 骨の強さの70%は骨密度、30%は骨質というもので決まります。骨質とは「骨のしなやかさ」のことです。 例えば骨密度が正常でも骨折を起こしやすい人がいます。 骨質劣化型骨粗鬆症といわれ、レンガのように一見固いのですが、衝撃を加えるとパリッと割れてしまう、しなやかさのない 骨になっています。現在この骨質を評価する方法は開発中なので、厳密に調べることはできません。 しかし、糖尿病、高血圧、動脈硬化、腎機能障害、慢性閉塞性肺疾患を持っている方、ステロイドの治療を受けている方に 多いことが知られています。このような方は骨粗鬆症の治療が勧められます。日本には約1,100万人の骨粗鬆症患者がいます。 しかし、15%ほどの患者さんしか治療されておらず、残りの患者さんは骨折しやすいのにもかかわらず治療を受けていません。 当院には精度が世界最高レベルのQDRという検査機械があります。痛くもかゆくもなく、数分寝ているだけで骨密度が測定できま す。当日の受付もしておりますので、労災病院の整形外科外来にお申し付けください。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター整形外科部長) ![]() |