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ご存じですか?「ロコモ」 美唄市医師会・安井 啓悟 |
最近テレビや雑誌で取り上げられるようになった「ロコモ」をご存知でしょうか? 「ロコモ」はロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の略で、日本整形外科学会が提唱した「運動器の障害のために 移動能力の低下をきたした状態」のことをいいます。 運動器とは骨や関節、筋肉、そしてそれらを動かす指令を伝える神経から成り立ちます。これらのどこかに不具合が起こることで、 立ったり歩いたりする働きがうまくできなくなる状態が「ロコモ」です。 「ロコモ」は病名ではありませんが、本当の病気が隠れている可能性があります。片足立ちで靴下がはけない、家の中ですべったり つまずいたりする、15分くらい続けて歩くことができないなどの症状があれば「ロコモ」の疑いがあります。 お近くの整形外科に相談してみてください。 日本人の平均寿命はどんどん延びていますが、寝たきりやほとんど歩けない状態は健康とはいえません。 健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間<健康寿命>を延ばすことが大切です。 年齢とともに足腰が弱ってくることはある程度仕方のないことですが、「ロコモ」は予防ができるほか、悪化を遅らせることも可能 です。その基本は運動と食事です。運動にはバランス能力をつける運動、筋力をつける運動、柔軟運動などがあります。 短時間でも構いませんので続けることが大事です。食事は1日3回の食事から栄養素をバランスよく摂ることが大切です。 1食で完全な食事は無理ですので、1週間単位でバランスが取れるように工夫しましょう。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター整形外科部長) ![]() |