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むし歯じゃないのに なぜしみる? 美唄歯科医師会・滑川 貴彦 |
冷たい飲み物を口に含んだ時にピリッと電気の電気の走るような痛みを伴う象牙質知覚過敏症、TVなどで目にすることも
多いですね。 知覚過敏症は、外来刺激から歯を守るエナメル質が何らかの原因で消失し、象牙質が露出して起こります。 象牙質には歯の神経(歯髄)を中心に放射状に象牙質表面に走る無数の細い管(象牙細管)が存在します。その管が開口すると 温度などの刺激が神経に伝わり、痛みの原因となります。刺激後に一過性(せいぜい数秒から10数秒)の鋭い痛みが出るのが その最大の特徴で、神経のある歯を削った時や歯石取りの後によく見られます。 最近では乱暴な歯磨きや歯ぎしり、くいしばり等で歯の根元のエナメル質がえぐれるように消失(咬耗、摩耗)することや、 酢やワイン、スポーツドリンクや柑橘類などの酸性飲食物を習慣的に摂取して歯が溶ける(酸蝕)ことにより象牙質が露出して 症状を訴える患者さんが増えてきています。まさに生活習慣病です。治療法は、生活習慣の改善と丁寧な歯磨き。 そうすると唾液の力により再石灰化が生じて徐々に症状の改善が見られるでしょう。知覚過敏用の歯磨材を使うのも一つ。 診療室では刺激を遮断する目的でコーティング材の塗布や、レジンなどで詰め物の治療を行います。歯科用レーザーを用いる こともあります。残念ながら症状の改善がない場合には、歯の神経を取る治療を行うことになります。ただし、むし歯や歯に ヒビが入った場合にも似たような症状が出ますので、自己診断せずかかりつけ歯科医に継続的に見てもらうことが大事です。 (執筆者紹介/なめかわ歯科クリニック院長) ![]() |