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痛風のお話 美唄市医師会・城下 紀幸 |
急に足の親指の付け根のあたりや、足の甲や足首、アキレス腱のまわりなどが痛み出したことはありませんか?
それは痛風発作の可能性があります。今日はそんな痛風のお話です。 痛風発作は尿酸の結晶が関節にたまって起こる炎症で、関節の腫れと激しい痛みが特徴です。発作はある日突然起こり、 放置しても通常1〜2週間程度でおさまります。 しかし原因となる高尿酸血漿を放置しておくと、忘れたころに再発します。 痛風発作を繰り返しているうちに、関節症状以外にも腎障害、尿路結石、脳・心血管病などの合併症が起こってきます。 そこでそうならないために、高尿酸血症に対する治療が必要になります。 尿酸はもとはプリン体という物質です。プリン体から作られた尿酸は、その大部分が腎臓から尿に溶けて体外に排出されますが、 尿酸の産生と排せつのバランスが崩れると、体内の尿酸が増えすぎて高尿酸血症になります。治療の第一は、生活習慣の是正です。 過食、高プリン・高脂肪・高蛋白食嗜好、常習飲酒、運動不足などの生活習慣を是正することです。 次に薬物療法です。血清尿酸値が7mg/dl以上で関節炎を認める場合や症状がなくても8mg/dl以上で薬物療法を考慮します。 それと発作時の治療ですが、これは患者さんの苦痛を緩め、QOL(生活の質)を改善することを目的にコルヒチンという 発作治療薬や、非ステロイド抗炎症薬を使用します。 時に副腎皮質ステロイドを使うこともあります。ただ知っておいて欲しいことは、痛風発作中は必ずしも血清尿酸値は高値を 示さないことと、発作中の尿酸値の変動は好ましくないため尿酸降下剤の用量の変更はしないようにお願いします。 (執筆者紹介/しろした病院院長) ![]() |