足のむくみは病気のサイン?
美唄市医師会・花田亜希子

外来診察をやっていると、しばしば「足がはれる」と受診される方が多いのに気づきます。ほかの症状はないけれど、 近所の人「足がはれたら重い病気だよ」とか「死期が近い」とまでいわれるそうです。
確かに、心臓や腎臓、肝臓などの病気で足がむくむこともありますが、多くは同じ姿勢(座ったままなど)を続ける ことで重力に従って足に水分がたまるものです。特に中高年になって脚の筋肉が落ちると、むくみやすくなります。
脳梗塞などで麻痺した足だけがむくむのも筋力低下が原因のひとつです。ふくらはぎは血液を心臓に戻すポンプの役割 をしているため筋力が低下すると血液がうまく戻らなくなり、血液の中の水が停滞するのです。そのために毎日歩いたり、 階段を使って筋肉をつけることが有効です。足腰の悪い方はつま先の曲げ伸ばしだけでも効果があります。
そのほかに、下肢静脈瘤という病気も増えています。ふくらはぎの側面や後面にヘビのように血管が浮き出る状態です。 症状としてはむくみのほかの痛み、重だるい、皮膚が変色する、かゆみ、足がつる、などです。医療用のストッキングで かなり改善するので、医療機関に相談してください。
たいていのむくみは一過性ですが、顔もはれたり、急に体重が増えたり、息苦しさやドキドキを感じるときは心不全や 腎不全の可能性があり、命を落とすことがあります。病院ですぐに診断できますので、早めに病院受診しましょう。
(執筆者紹介/医療法人社団慶北会花田病院副院長)