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胆石症について 美唄市医師会・原 敬志 |
「胆石で手術を受けた」といった方は、みなさんのご近所にいらっしゃると思います。症状は「胃が痛い」、
「背中が重苦しい」、「熱が出る」といったことが多いのですが、黄疸となることもあります。 胃が痛くて胃カメラを飲んだが何ともなかった、という場合には胆石症の可能性も考えて検査を受けたほうが よいでしょう。 胆石症による胆嚢炎と確定診断されたなら、治療としては手術が第一です。胆石溶解剤や衝撃波による破砕治療 もありますが、無効であったり再発率が高いためほとんど行われておりません。 一度胆石発作(つまり胆嚢炎)となった人は、再び発作となることが多いため手術をしたほうがよいことになっています。 発作を繰り返すほど癒着が強くなるので、小さな器械による腹腔鏡下手術が困難となり、開腹手術となる場合が あります。 手術方法は腹部に3、4ヵ所ほど1.5p程度の穴を開けて、先端に超音波切開凝固装置、電気メス、ハサミなどが ついた50p程度の細い棒(鉗子)を使用して、内臓をカメラで見ながら胆嚢を摘出するのが主流です。 これを腹腔鏡下胆嚢摘出術といい、痛みが少ないことから術後経過が順調ならば3、4日で退院できます。 胆石症で手術した約1%の患者さんに癌が潜んでいることがあります。癌があった場合は、経過観察でよい場合 、追加切除が必要な場合など、その治療方針はさまざまです。 体調不良があれば我慢せずに病院にかかり、検査を受けてどのような治療が良いのか、外科医師と相談するのが 良いでしょう。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター外科部長) ![]() |