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手首の痛み 美唄市医師会・三浪 明男 |
手首以降は外に露出しているので、外からのケガを最も受けやすい部位ということが言えます。 全年代で発生する骨折の中で一番多いのは手首の骨折(正確にいうと手首の少し上の橈骨遠位端骨折)です。 雪道で滑ったり、自宅などのちょっとした段差に引っ掛かって転んで、手をついたときに発生します。 最近では骨折してから直ちにプレートを用いた骨接合術を行い、早期に仕事や家事に復帰する事ができるようになって きています。そのほか、手首周辺に発生する整形外科的な病気(疾患)としては、手首の親指側に発生 する事が多い腱鞘炎や神経圧迫による手指のシビレ(手根管症候群が代表的です)などが多いと思います。 手首が痛くて仕事ができないとか家事ができないということを訴えて整形外科外来を受診する患者さんは 少なくありません。手首の機能を考えるとき、上肢全体の機能を考える必要があります。私たちが何かしよう とする時、例えばソファーに座っていて、棚にあるコーヒーカップを取ろうとしたとしましょう。まずソファー から立ち上がり、棚の近くまで身体を足(下肢)を使って移動し、上肢を使って棚の戸を開け、中にある コーヒーカップを皿とともに取るということになります。このように、一連の肩・肘のリーチ機能と手指の巧緻 運動機能を連結する重要な役割を演じているのが手首(手関節)です。 手首(手関節)には多くの種類の病気があり、日常生活上の不自由も少なくありません。手首の痛みで悩んで おられることはぜひ、専門医(日本手外科学会専門医認定制度があります)にご相談ください。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター 院長) ![]() |