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1日1万歩 美唄市医師会・田中 康夫 |
通常量の内臓脂肪からは抗糖尿病、抗動脈硬化、抗炎症作用をもつアディポネクチンが分泌されますが、
内臓脂肪が過剰になるとその分泌は低下して、逆の作用を持つアディポサイトカインが分泌されるため
高血圧、糖尿病、高脂血症が悪化します。そのため、メタボリック症候群の予防のために内臓脂肪を減少
させる必要があります。 そのために最も効果的なのは有酸素運動です。酸素を十分にとりながらする運動です。運動の強度はその人の 最大限の50%〜70%で十分です。つまり、心拍数では1分間に110〜120を超えない程度、自分が 「ややきつい」「やや息がはずむ」という程度です。運動開始から10分はエネルギーとして糖質の利用が 主とされていますから、脂肪燃焼を目的とするなら30分以上運動を続けたほうが効果的です。しかも、 できれば毎日定期的な施行が適当です。そこで、誰でも簡単に毎日できる運動としてオススメなのが 「ウォーキング」です。厚生労働省の「健康日本21」によると、健康維持に最適な運動消費カロリーは 1週間で2000キロカロリー、1日あたり約300キロカロリーです。通常成人がやや早歩きのペースで 、10分歩く時の消費エネルギーが約30キロカロリーですから、1日300キロカロリーを消費するには 1日1万歩を歩けば良いわけです。 (執筆者紹介/市立美唄病院外科医長) ![]() |