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首の痛みと手のしびれ 美唄市医師会・飯本 誠治 |
首の痛みや不快感は、多くの場合、筋肉の緊張から生じています。一方手のしびれは末梢神経障害、血行障害や糖尿病など
さまざまな病気で起こることがあります。ただし、首の痛みに伴って手にしびれがある場合は、首の部分の骨である
頚椎にかかわる病気の可能性があるため注意が必要です。首は細い骨の集合体でできている割には大きな頭部を支える
必要があるため、特に負担がかかる部分とも言えます。 骨と骨の間には軟骨でできた「椎間板」があり、この椎間板はクッションの役割を果たしています。加齢的変化や姿勢の悪さ、 外傷・運動などにより椎間板に負担がかかると中身が神経の方向に飛び出してきます。これを「頚椎椎間板ヘルニア」と 呼びます。腰の椎間板ヘルニアは、なじみがあるかもしれませんが、首でも起こります。症状はしびれだけではなく、肩や 上腕、肩甲部の痛みを生じることもあります。重症になるとしびれは下半身にまで及び、足の引きつりや歩きにくいといった 症状も引き起こします。基本的には消炎鎮痛剤や湿布、必要に応じてカラーなどの装具療法やけん引療法など保存的療法を 行います。ほとんどの症例は徐々に症状が軽減していくことが多いのですが、保存的治療を行っても痛みが改善しなかったり、 ヘルニアの出た部分の神経が関与している筋肉の筋力低下が起こった場合には手術を行うこともあります。 手のしびれが続く場合は我慢せずにMRI、CTなどの精密検査をしてみて下さい。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター整形外科部長) ![]() |