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脳卒中「顔・腕・言葉」で すぐ受診A 美唄市医師会・関 隆史 |
10月号でもお話しした脳卒中は、がん、心疾患に次いで死因の第3位を占め、高齢者が寝たきりとなる最大の原因です。 中でも脳梗塞は、脳卒中死亡の原因のうち6割を占め、年々増加しています。2025年には、脳卒中にかかる患者さんは330万 人に迫ると推察されています。 【脳卒中の特徴】 ○朝の血圧が高いほど脳卒中の危険性が高まります。 ○糖尿病にかかっている人は、脳卒中の危険性が3倍以上に増加します。 ○心房細動がある人は、ない人に比べて3〜5倍脳梗塞になりやすいといわれています。 ○悪玉コレステロール値(LDL)が高く、善玉コレステロール(HDL)が低いと、脳梗塞を発症しやすくなります。 いわゆる「生活習慣病」を予防・治療することで、ある程度脳卒中を予防することは可能です。 いずれも、普段からかかりつけ医へ通院・治療を行うことが非常に重要です。不幸にして発症してしまった場合、少しでも早く治療を 行えば症状を軽くすることが可能です。 また、脳梗塞の場合、症状出現から3時間以内であれば劇的に改善する可能性がある薬「t−PA」が使えます。さまざまな前提条件 がありますが、有効に作用すれば完全に回復することが可能です。10月から、使用可能時間が4・5時間以内に延長されましたが、早く 投与すればするほど副作用・合併症の可能性が少なくなり、奏功率も上昇します。さらに砂川市立病院は、発症8時間以内であれば、 血管内治療により閉塞した血管を再開通させる治療が可能な、空知管内では唯一の施設です。 もちろんすべての方に可能なわけではありませんが、条件を満たせば症状軽減の可能性を高める治療です。 いずれも、まずは予防が第一。さらに「顔・腕・言葉がおかしい」と思ったら、できるだけ早く受診することが大切です。 (執筆者紹介/砂川市立病院脳神経外科部長) ![]() |