脳卒中「顔・腕・言葉」で
すぐ受診!

美唄市医師会・関 隆史

脳卒中は、死亡原因・入院の原因ともに第2位で、平均在院日数は119日と極めて長く、およそ7割の人に何らかの後遺症が 残るといわれています。
また、寝たきり老人や訪問看護サービス利用者の約4割を占め、国民の医療費の約1割(1兆8000億円) が、1年間に脳卒中のために使われています。
脳卒中を発症しても命が助かり、なおかつ後遺症が残らないためには、早期発見・早期治療が重要です。脳梗塞の治療は「t−PA」 という薬により劇的な回復が可能となってきましたが、発症後3時間以内でなければ投与できない決まりとなっており、この投与の 可否が予後の明暗を分けます。障害を残さず回復するためには、発症後できるだけ早く医療機関を受診しなければいけません。 ただ、症状が現れていても、本人は脳梗塞だと気付かないことがあります。早期発見・早期治療により後遺症なく生還できる患者さん を増やすためには、周囲の人がその兆候に気付くことも非常に大切です。
脳卒中の前兆を広く知っていただくための啓発活動「ActF・A・S・T」を紹介します。
Face(顔)・・・笑ってください。片方の顔が下がっていませんか?
Arms(腕)・・・両手を挙げてください。片方の手が下がってきませんか?
Speech(話し方)・・・簡単な文章を言ってください。
「ろれつが回らなくなっていませんか?文書を正しく繰り返せますか?」
Time(時間)・・・速やかな受診

これらの症状がどれか1つでもあれば、脳卒中の可能性は72%です。
119番に電話するか一刻も早く病院に行ってください。素早い行動、 時間が勝負です。
(執筆者紹介/砂川市立病院脳神経外科部長)