噛み合わせが崩壊するのには法則があります
〜あなたの噛み合わせは今
何本の歯で支えられていますか?〜

美唄歯科医師会・吉村 治範

ブリッジを支えている歯に問題が生じて抜歯となり、欠損が拡大すると、より長いブリッジを装着する必要があります。
しかし、長いブリッジは比較的早い段階でトラブルを起こすおそれがあり、そのブリッジを支えている歯が抜歯となった際には、 固定式のブリッジで対応できず、取り外し式の義歯になります。その後は、義歯を支えるために金具で引っかけていた歯に 負担がかかり、やがてその歯にトラブルが起きて抜歯になると欠損がさらに拡大し、もっと大きな義歯を装着することになります。 このような経験がある方は決して少なくないと思います。
噛み合わせが安定して保存されるためには、上顎と下顎でお互いに噛み合わせを支えている歯の数、いわゆる「咬合支持歯数」が 重要です。咬合支持歯数が11カ所以上あるうちは比較的安定していますが、10カ所以下になると急に不安定になり、8カ所程度 となると坂道を転げ落ちるように崩壊が進み、それ以上崩壊を止めることはとても困難だといわれています。
欠損歯数を増やさないためには、初期の段階からメンテナンスすることが大切で、崩壊が急速に進み始める咬合支持歯数8〜10カ所 の人は、特にしっかりとした噛み合わせ治療を行うことが重要です。
現在は、チタンの歯を用いて咬合支持歯数を増やし、咬合崩壊を防ぐことも可能です。ぜひ歯科医院でそれぞれの噛み合わせステージ に合った治療を適切なタイミングで受け、定期的なサポート療法を受けられることをお勧めします。
(執筆者紹介/吉村歯科医院院長)