ガン検診を受けましょう。
美唄市医師会・齋藤 克憲

日本人の3人に1人がガンで亡くなっています。また、亡くならずに済んだ人も合わせると「2人に1人はガンになる」 ことが分かっています。夫婦で置き換えると、どちらかはいつかガンになるのです。これはどうやっても逃れることが できない事実です。
では、大切な命をガンから守るためにはどうしたら良いのでしょう。方法はただ1つ「小さいうちに見つける」。つまり 、早期発見しかないのです。ところがこれが簡単なようで難しいのです。
ガンといっても、種類はいろいろあります。しかも、それぞれのガンは全く別の病気です。簡単な検査でいっぺんに調べる ことができればいいのですが、健康診断の血液検査くらいでは見つけられません。しかも、早期のガンでは症状は出ません。 逆に言えば、痛みがあったり具合が悪くなったりしたら、それはもう進行しているガンです。進行ガンは、命がけの大手術 や抗癌剤をを使っても、助かる確率はだいたい五分五分になってしまいます。
早く見つけるには、それぞれ専門の検査をしなければなりません。肺ガンならX線やCT、胃ガンなら胃カメラ、大腸ガン なら大腸カメラ、乳ガンならマンモグラフィー、肝臓ガンは超音波やCTといった検査をします。「そんなにやるなんで無理だ」 と思われる方もいると思います。しかし、2人に1人はガンになるのだから、自分も「ガンになって当たり前」という意識 を持つことが大事です。大腸、肺、胃、肝臓など、可能性の高いものから検診を受けなければ早期発見は難しいのです。
今や、病院は「病気になってから行く」ところではありません。「手遅れになる前に」検診を受けましょう。2人に1人は いつかガンになるのです。
(執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター外科部長)